【お遍路4日目終了17/88】 - つよぽんの結び物語

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この日のスタートは第11番札所から。

一夜を過ごした駅から11番札所までは、距離も近く、難なくたどり着くことができました。

が、しかし…

その後の12番札所までの道のりが、まぁ殺人的な道のりでした。距離もとにかく長かったのですが、何よりアップダウンが激しく、足場は自然の状態のまま。

27歳、男、子供の頃から硬式野球を11年やってたぼくですら、ガチで意識が朦朧とするレベル。生半可な覚悟での歩き遍路はおすすめしません。リュック約10キロ＋手荷物約3〜5キロ、計約13〜15キロの荷物を背負いながらやってるってのもありますが、それを差し引いたとしても、本当に甘くないです。実際に過去に何人も死者が出ていると地元の方もおっしゃっていました。クマも平気で出るそうですし…

それでもなんとか無事に1日かけて12番札所までたどり着くことができました。それからは食べるものもなかったので、腹ペコのまま、頭と身体中の痛みで朦朧としながらフラフラと歩いていました。しばらく山道を歩き、ちょっとした集落へと入ると、ようやく食べものを売っているお店をみつけることができました。

「すみません、まだ営業してますか？」と言うと、「まだやってるで！それよりお遍路さん、今日泊まるとこは決まってるんか？」とお店のお母さんに聞かれ「いえ、まだ決めていません」と応えると「ウチ泊まっていき！ご飯も今日余ってるからお接待したるわ！お風呂も入っていき！」と言われ「へ？」と一瞬耳を疑ったが、ぼくはそのお言葉に甘えることにした。

砂漠の中でオアシスをみつけたみたいだった。(砂漠には行ったことないけどね)

身体中あちこちが痛み、疲労も空腹も極限な状態のときに食べるご飯は格別に美味しく、お風呂は昇天するほど気持ち良かった。とても幸せだった。感謝の気持ちで溢れた。

その日の夜、ぼくは死んだように眠りについた。(洗濯機に洗濯物を入れたままww)

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次の日の朝、5時頃にハッと目が覚め、洗濯機に洗濯物を入れたままなのに気が付き、慌てて乾燥機に洗濯物をぶち込んだ。

洗濯物を乾かしている間、お接待してくれたお母さんとお話しようと思いお店へ向かった。

すると「車の免許持ってる？あたしとお父さん2人とも免許持ってないから車運転してくれる？」と言われ(免許持ってないのに車持ってるの？)と疑問に思いつつも「運転しますよ！」と応えた。

聞くと、お父さんが1年前に事故を起こしてしまい、免許はなくなってしまったらしい。

コンビニや数件お家を回りながら帰ってきた。するとお母さんが「本当にありがとう！助かったわ！」と、とっても感謝してくれたのだが、こんなことくらいならいくらでもやるし、それにお礼を言いたいのはこっちの方だわ！と思いました。ぼくはただ20分くらい車を運転しただけ。でもぼくは思ったんです。これがお互い様なんだなと。お互いが自分にできることをやって、足りないところを補い合った、本当にただそれだけ。お母さんのためにほんの少しのチカラだけどお役に立てて本当に嬉しかった。頼ってくれて本当にありがとう。そしてご飯とお風呂と洗濯とお布団をどうもありがとう。

朝、出発する時には「おにぎり作ったから持っていき！」とふたつのおにぎりとトマトを渡してくれた。何から何まで本当に有り難い。「それじゃ行ってきます！」と言ってお母さんとバイバイをした。

その後も山道を下っていく途中で90歳過ぎの超元気なおばあちゃん2人とお話をして100円玉をもらったり、川原でタイヤがハマって抜け出せないで困ってるおっちゃんの車を押してあげたり、語ればキリがないくらいの御縁がありました。

この日もフラフラになりながら17番札所までたどり着くことができました。

そして今日も長い道のりからのスタートです。今日はどんなドラマが待ってるのかな。楽しみながら行ってきます(*´ω｀*)♬

PS.

ぼくは別にお遍路をみんなにおすすめしているわけではありません。たくさんの人に四国に来て欲しいとも思っていません。

近年、お遍路さんのマナーが悪くなってきていると地元の人たちは言っていました。歩き遍路をしているとよく分かるのですが、ゴミがよく落ちています。落書きみたいなものもよく見かけます。

いろんな人がたくさん来ることによって、この街や自然が汚れていってしまうのは本当に悲しいことですし、ぼくはイヤです。

興味本位で遊び半分でお遍路はやって欲しくないなと思います。

歩き遍路の場合は、中途半端な気持ちで行くと本当に危険です。死にます。FacebookやInstagramでアップしている写真は楽しそうに写っていると思いますが、実際はほぼほぼ「苦」です。写真はそのほんの一部のひとコマを切り取ったにすぎません。

ぼくの投稿を読んで、お遍路のことを知ってもらえたり、興味を持ってくれたらとても嬉しいですが、実際に自分がやろうと思った際には、地元の人たちのことをちゃんと考えて、マナーを守ってやってもらえたら嬉しいです。

PS2.

それでは今日も楽しんで行ってきます(o^^o)♪